ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

ジリオンのゲスト声優と、井上キャラモテモテ伝説

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コミックボンボン1987年4月号より
 

今月12日に放映開始32周年を迎えた『赤い光弾ジリオン』(こちらこちら)の放映当時は、TVアニメに替わって新興メディアであるOVAが大きく市場を拡大していた時期でもあった。その変化は声優選びにも影響し、キャリアの少ない若手声優がOVAでいきなり大役を任されることもままあったようだ。ジリオンにおいても、J.J役の関俊彦氏はジリオン同年の1月に発売されたOVA『学園特捜ヒカルオン』(1987年)がその初主演作となっている。

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OVA『学園特捜ヒカルオン』より


4月に放映が始まったジリオンでも、関氏をはじめとした平成を支えていくことになる若手キャストと、昭和に代表作を持つベテラン勢との共演が多々見られる。
有名どころでは『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)の真田さん役などで知られる青野武氏が13話のケリー役で、『機動戦士ガンダム』(1979年)のシャア役池田秀一氏が20話のマックス役で出演したほか、『未来警察ウラシマン』(1984年)のフューラー役丸山詠二氏が5話の研究所長役で、数々の吹き替え作品で知られる大木民夫氏が7話のメイヤー役で登場している。


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ケリー中尉(13話)とマックス少佐(20話)


もっと若い中堅クラスでは、ジリオン同年の『機甲戦記ドラグナー』(1987年)の主役トリオの一人タップ役でもあった大塚芳忠氏、同じく放映中だった『めぞん一刻』(1986年)の主人公五代くん役の二俣一成氏、ジリオンのスタッフの多くが参加していた『昭和アホ草紙 あかぬけ一番!』(1985年)のヒカリキン役で井上和彦氏とコンビを組んだ玄田哲章氏など、実力派の男性声優がゲストのクセモノキャラを演じ、強い印象を残している。

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ボルサリーノとチャンプ(9話)

ボルサリーノ役玄田哲章氏はチャンプ役の井上和彦氏と『あかぬけ一番!』の名コンビだが、
タカラの看板玩具『トランスフォーマー』とバンダイの類似路線『マシンロボ』のアニメ化作品で
それぞれ主演しており、その意味ではライバル関係でもある
 

本作のゲストヒロインは、その井上和彦氏のそれまでのキャリアと興味深い関係を見せた。
レギュラーキャラのアップル役水谷優子さん(『マシンロボ クロノスの大逆襲』)とエイミ役本多知恵子さん(『あかぬけ一番!』)を筆頭に、1話ゲストのアディ役神代智恵さん(『星銃士ビスマルク』)、7話のメルウ役高田由美さん(『OKAWARI-BOY スターザンS』)、18話のミンミン役江守浩子さん(『蒼き流星SPTレイズナー』)と、井上氏主演作品でヒロインを演じた女性声優が多数出演しており、さながら井上氏を囲むヒロイン同窓会といった様相を呈している。これが意図的な配役なのかそれとも井上氏の多彩なキャリアのなせる偶然なのか、気になるところだ。

 
類似したキャスティングとしては17話のハイミス役小宮和枝さん(『とんでも戦士ムテキング』で井上氏演じる主人公の母役)がおり、さらにジリオンの翌年にアニメ化され、井上氏の新たな代表作となった『美味しんぼ』(1988年)でも、14話のセシル役荘真由美さんがヒロインを演じるという偶然が起きている。
 
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チャンプとセシル(14話)

井上氏関係以外のゲストヒロインでは、ソラール役の滝沢久美子さんがサブキャラを多く担当し、25話のフランソワーズ先輩も演じた。滝沢さんは西久保監督がタツノコ時代に手掛けた『風船少女テンプルちゃん』(1977年)でタイトルロールを演じ、『タイムボカンシリーズ ゼンダマン』(1979年)でもヒロインとして起用されている。ちなみにフランソワーズの息子ジョニーを演じた坂本千夏さんも、同じく『タイムボカンシリーズ イタダキマン』(1983年)のヒロインを演じており、タツノコ濃度が非常に高い。
 
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フランソワーズとジョニー(25話)
 
押井守氏がコンテを担当した2話のパトロール兵役で印象的すぎる歌を披露した西村智博氏は、押井監督の実写映画『紅い眼鏡』(1987年)に続いての起用。西村氏はデイブ役中村大樹氏とともにジリオン翌年の『鎧伝サムライトルーパー』(1988年)でブレイクしており、ジリオンのCDでの存在感もピカイチだった。
 
他に、当時の新人として山寺宏一氏、堀内賢雄氏、佐々木望氏、桜井敏治氏、平松晶子さんなど、平成でブレイクしたスター声優たちの若き日の演技が堪能できるのも楽しい。往年のアニメをいま鑑賞する醍醐味の一つではないだろうか。
 
 
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