祝dアニメ配信!ジリオンの2つのオープニングフィルム
『赤い光弾ジリオン』OPより
今回はリアルタイムのジリオン情報がいくつか続いたので、まずはそちらを紹介したい。
まずは配信情報。これまでアニメ放題やU-NEXTで配信されていた『赤い光弾ジリオン』TVシリーズがdアニメでも配信がスタート(月額400円)している。さすが業界最大手だけあり、今回の配信ではじめてジリオンに触れた方の感想も多く見られる。
anime.dmkt-sp.jp
次は雑誌からの話題。
2020年6月現在、書店にて発売中の『CONTINUE Vol.65』(太田出版)の光線銃特集で、ジリオンの玩具やスーパーボンボンのコミカライズが紹介されている。
(コミカライズについては、こちらで本ブログでも紹介している)
ジリオンのアニメ化に至る「光線銃ブーム」について興味のある方にはぜひ手にとっていただきたい。
www.ohtabooks.com
もう一つ、こちらも現在発売中の『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)2020年7月号では、人気声優 櫻井孝宏氏が連載エッセイ「ロール・プレイング眼鏡」でジリオンのCD「お洒落倶楽部」への偏愛を吐露している。ごく短い言及だが、氏は「関俊彦さんLOVE♡」とのことなので、今後の連載(今回は第2回)にも期待したい。
ddnavi.com
それでは本題。
ジリオンと同時期に登場した『機甲戦記ドラグナー』(1987年)のオープニングに2つのバージョンがあることは有名だが、ジリオンのオープニングも実は2バージョンあることは、ファン以外にはあまり知られていない。「激闘編」(第17話~)から登場した新バージョンでは、ジリオン銃がニュージリオン(11話から登場済)に描き変えられている。ニュージリオンの形状変化に合わせ、その作画では丁寧なフォローが行われており、以下で細かな検証を行った。
各位、脳内でOP曲「ピュアストーン」を再生しながらお読みいただきたい。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ジリオンのホルスターにJ.Jの手が伸びるカット。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
クルクルとガンスピンを行い、ガッチリとホールドするカット。トリガーガードなしの旧ジリオンでこのアクションは実行可能なのか?はよく話題になる。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
構えるカットは一瞬だがここも描き変わっている。
『赤い光弾ジリオン』OPより
このチャンプのカットのみ、激闘編の新バージョンでも描き変わっていないようだ。ほんの一瞬だからスルーされたのかもしれない。筆者も今回の検証で初めて見つけたもの。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
トライチャージャーでのアクションシーン。よく見ると同じアクションでも前景や背景の位置が異なっており、撮影に関してはまったく同じではないようだ。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
旧ジリオンのコードがなくなって、印象がかなり異なるカット。歌詞のテロップ位置の違いも確認できる(新バージョンのほうが低い位置になっている)。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ここももちろん変更。同じカットの最後、アップルのホルスターのジリオンも描き変わっている。
よく見るとJ.Jの口の中の色が異なっており、彩色もやり直している(その際に発生した色指定ミス)ことがわかる。
ちなみに、せっかくのOPフィルムの差し替えにもかかわらず、「ピュアストーン」作曲者大内義昭氏の誤植(「木内」になっている)は修正されなかったようだ。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
大きく変わったカットその1。アップルのアクションシーン。サブマシンガンタイプのニュージリオンはかなり大きいため、両手でのホールドに変わっている。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
同じアクションシーンより。サブマシンガンタイプを片手で撃っているのでかなり大きく感じる。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
こちらも大きく変わったカット。チャンプもジリオンがライフルタイプになり射撃姿勢が変わったため、ポーズと持ち方から異なっている。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
さすがにこのカットは拳銃タイプでないと成立しないため、このカットのみチャンプもアップルもJ.Jと同じタイプのニュージリオンとなっている。
『赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ラスト前。J.Jとアップルのホルスターに注目。
『赤い光弾ジリオン』ブルーレイBOX特典絵コンテ集より、なかむらたかし氏の手になるOPコンテ
こちらはオマケ。絵コンテ段階では、オンエア版とはラストカットが異なっていたようだ。
こうやって細かく見ていくと、OPでのニュージリオンへの変更は元々予定されたものではなく、やはり激闘編に合わせて急遽対応が行われたように思える。これも、激闘編のスタートにあたってスケジュールに余裕ができたことと関係がありそうだ。
zillion-archive-room.hateblo.jp
次回は、ジリオンの放送に先立ってリリースされ、そのスタッフの多くがジリオンに移籍した、タツノコプロ制作のOVA『アウトランダーズ』(1987年)についてを予定。