J.Jのガレージキット
キットのパッケージ
パッケージイラストは元スタジオ鐘夢の数井浩子氏。イラストレーターのクレジットは30年後に追いかけるファンにはとてもありがたい。
けっこう非道なシチュエーションにも見えるが、キャラクターが皆かわいく描かれており、特に朗らかに笑うチャンプは珍しい。
オフィシャルの証であるNTVの「承認済」シール
NTVの承認シールは30年後のヒロインメモリーズでもほぼ同じものが使われており、版権ビジネスの揺るがなさを今に伝えてくれる。
箱の側面
値札の「¥2500」は定価だろうか。「戦闘服タイプ」とわざわざ書いているので、戦闘服以外のバリエーションもあったのかもしれない。
また、「1989 1/6」という記述も確認できる。これが日付だとすると、1988年でほとんどの関連商品が出尽くした(TVシリーズのLDの毎月リリースのみ1989年も継続)のち、玩具の優先商品化権を持っていたであろうセガのアクションフィギュア等の販売が終了、小さなガレキメーカーにも許諾が下りるようになったのがこの頃と思われる。
キットのパーツ
説明書
パッケージの中身はキットと説明書のみ。この説明書には、お便り募集の案内が確認できる。もちろんこのキットが出たのは30〜29年前なので、いまから葉書を送ることはできない。
仮組み
とりあえず粘着剤でくっつけてみたもの。模型はまったくの門外漢のため、色塗りについては断念した。
側面と背面
やはり立体物は様々な角度から鑑賞できるのが楽しい。
顔のアップ
ディティールはよく作られているが、造型をリアルに寄せた反動か、サラサラヘアーがトレードマークのJ.Jとしては、髪のボリュームにやや物足りなさを感じる。また、この個体はジャケットの首回り部分に成型欠けがあるようだ。
このシリーズには他にチャンプ※とアップル、そしてエイミがラインナップされており、女性キャラにはそれぞれ9話に登場した水着バージョンも存在していたらしい。
※以前の紹介のあと、チャンプのキットも存在を確認した
カドウチさんのTwitterより引用
キットの製作・販売はアペンディックス(「アペンディックスクラブ」という表記もある)。名古屋の「日本切手」という模型ショップが立ち上げたガレージキットブランドのようだ。アペンディックスは特撮キャラをメインに、ジリオンの後もボーグマン等のキットを出していたが、その活動は1990年代半ばには終了、日本切手も2000年代に閉店したと思われる。
自分が入手したキットは中古ではなく未開封品で、やはり名古屋にある大須古本店(http://osubook.net/)で販売していたもの。日本切手の閉店に伴って在庫が流れたものだろうか。ネット上では見かけることの少ないキットだが、これから探される方は「名古屋近辺のネット通販をしていないホビーショップ」あたりが狙い目かもしれない。
次回は、思いがけず譲っていただいた歌姫夜曲のセル画ほか、セル画関係を紹介予定。