スカウターの元ネタ?ジリオンにおける片目ディスプレイと謎のアーマー
出落ちで申し訳ないが、ジリオンの片目ディスプレイと非対称な服装の「アニメにおける元祖」は、日本サンライズ作品『太陽の牙ダグラム』(1981年)の主人公クリン・カシムではないかと思われる。このスタイルは戦車兵とゲリラ部隊の合成のようでもあり、時代から鑑みると、ベトナム戦争あたりがそのモデルだったのだろうか。
同じジャンプ作品『聖闘士星矢』でも、そのアニメ化にあたり、アニメ用の新設定として左右非対称のプロテクターがデザインされた。ジリオンの半年前にスタートした星矢のアニメは大ヒットし、アニメグランプリや日本アニメ大賞ではジリオンと熾烈な賞レースを演じている。
そしてその聖闘士星矢に先行すること半年、ジリオンの前々番組として放映していたのが東映動画の『剛Q超児イッキマン』(1985年)。キャラクターデザインには、タマプロを代表するアニメーター 西城隆詞氏がクレジットされている。
ちなみにイッキマンの前番組は『キン肉マン』、イッキマンのコミカライズ担当はのちに『遊戯王』をヒットさせる高橋和希氏(高橋かずお名義)。最近でもキャラデザの後藤隆幸氏が、アップルは『きまぐれオレンジロード』の鮎川まどかが元ネタだと発言(ホビージャパン2017年9月号)しており、片目ディスプレイや非対称プロテクター含め、この時代のアニメは少年ジャンプ作品との関わりから逃れられないもののようだ。
次回は、予想外のジリオン旋風が吹き荒れた1988年のアニメグランプリと日本アニメ大賞について。