ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

スカウターの元ネタ?ジリオンにおける片目ディスプレイと謎のアーマー

イメージ 1
太陽の牙ダグラム』のクリンとジリオンのJ.J
 
出落ちで申し訳ないが、ジリオンの片目ディスプレイと非対称な服装の「アニメにおける元祖」は、日本サンライズ作品『太陽の牙ダグラム』(1981年)の主人公クリン・カシムではないかと思われる。このスタイルは戦車兵とゲリラ部隊の合成のようでもあり、時代から鑑みると、ベトナム戦争あたりがそのモデルだったのだろうか。
 
ジリオンの源流の一つである(こちら)同じ高橋良輔監督作『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年)でもこの片目ディスプレイは使われており、井上和彦キャラの片目ディスプレイ率を押し上げている。
 
イメージ 2
ダグラムのクリン、レイズナーのエイジ、ジリオンのチャンプ
 
ジリオンののち、少年ジャンプの看板作品『ドラゴンボール』のスカウターとして、この片目ディスプレイは一気にメジャーになった。
同じジャンプ作品『聖闘士星矢』でも、そのアニメ化にあたり、アニメ用の新設定として左右非対称のプロテクターがデザインされた。ジリオンの半年前にスタートした星矢のアニメは大ヒットし、アニメグランプリや日本アニメ大賞ではジリオンと熾烈な賞レースを演じている。
 
そしてその聖闘士星矢に先行すること半年、ジリオンの前々番組として放映していたのが東映動画の『剛Q超児イッキマン』(1985年)。キャラクターデザインには、タマプロを代表するアニメーター 西城隆詞氏がクレジットされている。
 
 
 
タマプロはジリオンのキャラデザイナー後藤隆幸氏が在籍したスタジオでもある。ジリオンのプロテクターの直接の源流はこのあたりにありそうだ。
 
イメージ 3
イッキマン、聖闘士星矢ジリオン
 
ちなみにイッキマンの前番組は『キン肉マン』、イッキマンのコミカライズ担当はのちに『遊戯王』をヒットさせる高橋和希氏(高橋かずお名義)。最近でもキャラデザの後藤隆幸氏が、アップルは『きまぐれオレンジロード』の鮎川まどかが元ネタだと発言(ホビージャパン2017年9月号)しており、片目ディスプレイや非対称プロテクター含め、この時代のアニメは少年ジャンプ作品との関わりから逃れられないもののようだ。
 
 
次回は、予想外のジリオン旋風が吹き荒れた1988年のアニメグランプリと日本アニメ大賞について。