ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

相楽晴子vs庵野秀明!? ニュータイプのジリオングラビア

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ニュータイプ1987年8月号より
 
角川書店(現 カドカワ)のアニメ雑誌ニュータイプ」は記事ページに描きおろしのイラストを大胆に使用する斬新なスタイルで、現在のグラビア中心のアニメ誌の方向性を決定づけた。
他誌同様にジリオン人気に乗り遅れた感のあるニュータイプだが、その特色を生かしたグラビアはやはり魅力的なものとなっている。
トップ絵はおなじみ後藤隆幸氏と、ちびキャラはなんとガイナックス赤井孝美氏の手になる。
 
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ニュータイプ1987年9月号より

寺東克己氏によるJ.Jは若干別人度が高い。寺東氏はジリオンでは多くの話数に原画として参加しているが、線が独特な後藤氏のキャラは似せにくかったのかもしれない。氏はジリオンの後継企画『超音戦士ボーグマン』(1988年)以降、演出にも進出しており、2018年現在も絵コンテマンとして活躍中。
 
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ニュータイプ1987年9月号より

こちらもなんと、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)や『シン・ゴジラ』(2016年)で知られる庵野秀明氏と寺東氏が原画。おそらくは庵野氏がメカ、寺東氏がデイブの担当だと思われる。庵野氏は中村光毅氏が手がけた『タイムボカン』(1975年)のメカを偏愛しており、特にずんぐりしたフォルムの主役メカ、メカブトンには強い思い入れがあるようだ。アンモナイトの手がけたジリオンのメカ群もタツノコ伝統の生物的フォルムを踏襲しており(こちら)、特にビッグポーターあたりが庵野氏の嗜好にハマったのかも知れない。この当時の庵野氏は、先の赤井氏ともども映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987年)からやっと解放された頃だろうか。
 
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ニュータイプ1987年9月号より
こちらも、いまや巨匠である黄瀬和哉氏の版権デビューとなるイラスト。

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ニュータイプ1987年9月号より

この特集のリードにはタレントの相楽晴子さんが起用されている。ニュータイプテレビ情報誌「ザ・テレビジョン」の増刊だったことを思い出させる大胆な企画ではあるが、当時のニュータイプの実写映画への傾倒も含め、企画に若干の迷走も感じる。これも「アニメ雑誌冬の時代」の産物だろうか。
ちなみにこの号の他のページには当時の人気歌手、荻野目洋子さんも登場している。

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ニュータイプ1987年9月号より

荻野目さんは西久保監督の初監督作『みゆき』(1983年)でデビューしており(若松みゆき役。鹿島みゆき役は先日急逝された鶴ひろみさん)、西久保監督の出世作となったジリオンとはちょっとした繋がりを感じさせる。

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ニュータイプ1987年12月号より

こちらの原画の青井邦夫氏はイラストレーター、メカデザイナーモデラーであるとともに日本有数のガンマニアとしても知られており、アニメでもリニューアルされたセガの光線銃「ニュージリオン」をデザインした。

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エンディングより、青井氏のクレジット

その青井氏にアニメ版のジリオン銃を描かせるというのは、普通はなかなか出てこない着眼点ではないだろうか。先の9月号といい、ニュータイプジリオン銃推しの強さが伺える。
 
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1987年12月号のポスター。イラストは後藤隆幸

ニュータイプでは表紙にはならなかったジリオンだが、この号では大判のポスターがふろくに登場している。アニメディアやOUTではポスターはもちろん表紙にもなった(こちら)。後藤氏が「こまったユ鬼ちゃん」を連載していたアニメージュではふろくポスターはなく(戸部敦夫氏による折り込みポスターは1988年2月号に登場)、表紙を飾ることもなかったことを考えると、当時の各アニメ誌の温度差が垣間見えるようで興味深い。


次回は、ジリオンチーフディレクター西久保瑞穂監督のフィルモグラフィについての第4回。ジリオン以降の『天空戦記シュラト』から、90年代のI.G時代編。