ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

カセット文庫『シークレット ティ・パーティ』

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『シークレット ティ・パーティ』パッケージ

アニメイトコレクション12 ジリオン・カセットシアター『シークレット ティ・パーティ』はムービックアニメイト)から発売されたジリオンのオリジナルグッズのひとつ。名前の通り、発売されたメディアはカセットテープのみで、ジリオンのCDが30年後の現在でも新品で流通しているのとは対照的に、いまでは入手がかなり困難となっている。

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『シークレット ティ・パーティ』のカセットテープ

90年代にブームとなったカセット文庫は、人気アニメのスタッフ、キャストを使用した公式の2次創作ともいえる音声ドラマを収録している。キングレコードジリオンのCDが歌とドラマの二本立てだったのに比べ、こちらはドラマのみ。
本作の脚本には、第13話「怒れ!シャッターチャンス」や第24話「大冒険!戦士オパオパ」などを手がけた渡辺麻実氏が起用され、CDの関島真頼氏に劣らぬハッチャケぶりを見せている。
 
アニメイトカセットコレクション「赤い光弾ジリオン シークレット・ティ・パーティ」A面
 
渡辺氏のストーリーは「キャラだけを使った別世界」の歌姫とは異なり、TVシリーズの(一応は)延長の形で世界観はつながっており、その学芸会的シチュエーションも含め、その後のパロディドラマの基本ともなった。

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『シークレット ティ・パーティ』パッケージカバー裏より

本作の発売は1988年9月1日で、OVA歌姫夜曲やミュージッククリップ『エイミ ペンギンズダイアリー』、本作と同じく渡辺氏が構成を手がけた総集編ビデオ『チャンプ&アップル ファンタスティックメモリーズ』、CD『あぶないMUSIC』などの直後にあたり、TV版を収録したLDシリーズのリリース途中でもある。
この当時のキャストの他の仕事と合わせて考えると、いかにも時事ネタと言えそうなセリフも多く、パロディの度合いはCD以上かもしれない。関俊彦氏の「なんぴとたりともオレの前は走らせねぇ!」は当時の主演作『F』(1988年)の赤木軍馬の決め台詞であり、Mr.ゴード役の藤本氏に時代劇をやらせるのも『ミスター味っ子』(1987年)での味頭巾の口上などを思わせる。

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OUT1988年1月号より、原画は数井浩子氏
当時の人気時代劇「必殺」シリーズのパロディは本作とも共通する

このカセットは好評だったようで、以降、カセット文庫がシリーズ化されることになる。本作も1990年に再販がかかり、その際にパッケージがカラーになったようだ。ドラマの最後に収録されているキャストからのコメントでは続編もありそうに思われたが、シリーズ第2弾が発売された形跡はない。

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アニメージュ1988年11月号の広告より
 
WNトリオが揃う機会はこのカセットの後にもラジオ収録もあり(こちら)、翌1989年になるとメインキャストが再結集した『天空戦記シュラト』もスタートしたため、ジリオン終了後もWNトリオの活躍は長く続いた。
このシュラトにもカセット文庫が存在し、やはりキングレコードから発売されたCDともども、キャラクター人気を盛り上げた。
こういった二次創作的なパロディ作品群は楽屋落ちの「中の人」ネタを経て、90年代の声優ブームへと繋がることになる。

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当時のムービックのチラシ
 
次回は、今はなきアニメ雑誌 電撃アニメーションマガジン、そしてメガミマガジンで「懐かしのアニメ」として紹介されたジリオンについて。