ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

後藤隆幸氏のジリオンコミック

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『MIX NOISE 後藤隆幸作品集』表紙
 
赤い光弾ジリオン』のTV放映に合わせたコミカライズは講談社コミックボンボン」と「スーパーボンボン」を舞台に行われた(こちら)が、それとは別に、アニメの人気によって生まれたコミックもTV放映終了前後から登場している。
今回はジリオンのメインキャラクターデザイナー 後藤隆幸氏の画によるジリオンコミックを紹介したい。
 
まずは、LPやCDで発売された『お洒落倶楽部』のジャケットにあしらわれたショートコミック。
コミックのコンテはTVシリーズで多くの絵コンテを手がけた綴爆(うえだひでひと)氏で、後藤氏は作画担当となる。
 
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CD『お洒落倶楽部』インナーより
 
キングレコードが出資して制作された『歌姫夜曲』の特典に後藤氏のコミックをつけることになったのは、この『お洒落倶楽部』での好評があったのだろうか。
 
次は1988年6月に登場した、そのジリオンのスピンオフOVA『歌姫夜曲』の封入特典から。
こちらも作者はうえだ氏と同様TVシリーズの絵コンテで活躍した貞光紳也氏、そして作画が後藤氏となる。

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VHS版『赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲』封入特典より(一部)

このコミックには扉絵が複数あるが、どういった区分けによるのかは不明。
SHOOT!2のほうには「BURNING NIGHT SPECIAL COMICS」とあるが、では1のほうはもしかすると何らか別の媒体で発表されたものの再録なのかもしれない。初出情報などはもちろんないため、もし知っている方がいたらぜひご教示いただきたい。
 
ちなみに2019年現在、このコミックを単体で入手することは難しい。歌姫夜曲のビデオ自体は比較的容易にオークション市場で手に入るので、レンタルではなく個人のコレクションの出品であれば、この冊子がつくか出品者に確認するのが確実だろう。
 
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『MIX NOISE 後藤隆幸作品集』より

こちらはジリオンファンには比較的知られていると思われる、後藤隆幸氏の作品集『MIX NOISE』。ムービックによる自主刊行物として設定資料などと同じくアニメイトでのみ販売され、一般の書籍流通では販売されていない。
 
ジリオンのコミックは作品集の半ば以上を占める。シリアスな外伝ストーリー「SAN-NIN」と、3等身キャラで描かれるギャグ「死霊のリックス 砂のしたたり」の二本と、後藤氏が過去作やジリオンを振り返るコミックエッセイが収録されており、現在から30年前の制作当時を確認できる貴重な資料ともなっている。

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『MIX NOISE 後藤隆幸作品集』より

SAN-NINは明確にホワイトナッツの三角関係を描いた異色作。恋愛ものを好む後藤氏らしい作風だが、後藤氏がジリオン当時手がけていた『きまぐれオレンジロード』(1987)や、この作品集の同年に公開された映画『めぞん一刻 完結篇』(1988)の影響も感じる。

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劇場版めぞんについて描かれた「こまったユ鬼ちゃん」
後藤隆幸画集 Gの旋律』より
 
もう一本の、ホラーネタのギャグマンガ「死霊のリックス」は上記歌姫の4コマ漫画を彷彿とさせる楽しい作品。こちらもストーリーは貞光氏だろうか(MIX NOISE巻末には、コミックのコンセプト協力として貞光氏の名前が見える)。

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『MIX NOISE 後藤隆幸作品集』より

余談だが、最終的にリックスを倒したのは臭い、というオチは、TVシリーズの『ターミネーター』(1984年)ネタなどに通じる、SFホラー全盛期の空気を感じる。
 
魅力的なキャラが一話完結形式で活躍するジリオンはコミック展開向けとも思えるが、1993年になって登場したアメコミ版(こちら)を最後に、ジリオンのコミック展開は行われていない。
近年の空前のリバイバルブームにジリオンが復活する日はあるのか、その日を楽しみに待つこととしたい。


次回は、ジリオンのプロデューサー陣についてを予定。