アフタヌーン率高し?ジリオンぽいマンガとCD
プロダクションI.G公式ページより(現在は削除)
詳しくは前回の更新(こちら )を参照ください。
このブログでは以前(こちら)にジリオンに影響されたと思われるゲームを紹介したが、間に企業人たる編集者が入る故だろうか、他のメディアでのジリオンのパロディ、オマージュはゲームよりももっと遅れて登場している。例外は以前(こちら)紹介した『ダイの大冒険』くらいだろうか。
この当時のジリオンは、すでに「知る人ぞ知る懐かしのアニメ」となっていたようだ。ジリオンの人気が爆発したのは1987年の年末なので、年内に本を出した当時の「現視研」には先見の明があったということになるのだろうか。
林崎文博著『VF アウトサイダーヒストリー』4巻より
白泉社ヤングアニマルの『VF』はいわゆるヤンキー漫画のフォーマットながら、唐突に挿入されるガンプラ、特撮ネタなど意外にマニアックな側面も持っていた。取り上げたのは主人公の一人 仲井戸が作中で観ているビデオの一場面という設定だが、実はこのエピソード自体がもう一人の主人公 春山の見ている夢とのオチがつく。掲載は2000年7号。
この劇中劇のヒロインらしき少女のコスチュームと、ライディングセプターのようなバイクが意図的にジリオンに似せたものかどうかは長年の謎だったが、昨年アップル役の水谷優子さんが亡くなられた際、作者林崎氏は水谷さんを追悼するツイートでCD『あぶないMUSIC』に言及している。
初めて再生させたとき顔真っ赤になる程もだえた記憶があります。水谷優子さんの演じられたアップルのDJに心の触られてはイケナイ部分をくすぐられたんですよね。たどたどしく歌う「黄昏どきのハートには」は、今も惹き付けられるんだよな・・・
『VF』には他にもジリオンネタがあったように記憶しているが、今回単行本を見返した限りでは見つけられなかった。単行本未収録の可能性もあるが、情報をお持ちの方はご教示いただきたい。
あかほりさとる原作 中原れい画『NG騎士ラムネ&40EX2』より
『NG騎士ラムネ&40EX2 ゆらゆら銀河帝国大混戦!』はTVアニメ『NG騎士ラムネ&40』(1990年)の外伝となる小説およびラジオドラマ(CD化もされた)、そしてこのコミックスからなるメディアミックス企画。基本的なストーリーはどれも同じだが、メディアごとに内容は一部異なる。コミックスの発売は1993年。
CD『NG騎士ラムネ&40EX2 第2章』ライナーより
この作品のみに登場するゲストキャラ、アップル=ティはコード付きの銃を持つなど、明らかにジリオンとアップルを意識したデザインがされており、ご丁寧にもラジオドラマ・CD版では水谷優子さんが演じていた。原作者あかほり氏は、氏の作品の声優に(ラジオでの相方である)水谷さんを推薦したことはない、とコメントしているが、このキャラクターに関しては当て書きだったのではないだろうか。
CD『PLASMA熱血電波倶楽部 電脳天使コンパイラFX』ジャケット
駿河屋より引用
以前(こちら)でも触れたジリオンの後継企画『超音戦士ボーグマン』(1988年)でキャラクターデザインをつとめた菊池通隆氏(麻宮騎亜名義)が原作のせいか、このCDは全体的にアニメや特撮などのパロディが多い。CDの発売はこれも1993年。
ジリオンと関係するのは、この作品に登場するゲストキャラ「プラズマ」を演じたのが本多知恵子さんであるところから脱線した声優ネタ。ヒロインの一人「アセンブラ」役の水谷優子さんとともに、一瞬だけエイミとアップルの掛け合いを再現したシーンは、本多さん、水谷さんともに違和感のない演技で、本当にジリオンのワンシーンのように聞こえる。
水谷優子さんの追悼で、コンパイラのCD『PLASMA』からジリオンネタのシーンなどを。水谷さんと本多知恵子さんがアップルとエイミで掛け合いを演じたのはおそらくこれが最後。 pic.twitter.com/Udw89Pmcr4
— SiFi-TZK (@SiFi_TZK) 2018年5月17日
本多さんがエイミを演じたのはこれがラストと思われ、お二人なきいま、こういったお遊び企画も貴重なものといえる。
他にもホワイナッツトリオが出演した『天空戦記シュラト』(1989年)のパロディCDなどにこういったお遊びはありそうだが、今回調べた範囲では発見できなかった。こちらも、ご存知の方はぜひご教示いただきたい。