ZILLION ARCHIVE ROOM(Yahooブログ移行版)

Yahooブログから流れてきたTVアニメ『赤い光弾ジリオン』非公式ファンサイトです。元々は放映30周年を記念する週刊ブログでしたがそのまま不定期で続いています。

OVA『アウトランダーズ』〜ジリオン・ジ・オリジン(5)〜

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アウトランダーズ』VHS版より

赤い光弾ジリオン』の放映は1987年4月に開始されている。
ジリオンを制作したタツノコプロではその直前までTVシリーズの『ドテラマン』(1987年2月まで放映)(こちら)と、OVAアウトランダーズ』(1986年12月発売)を制作していた。子供層をターゲットにタツノコ伝統のギャグ、コミカル路線だったドテラマンに対して、カルトマンガをOVA化したアウトランダーズタツノコの新境地ともいえる。
タツノコの手がけたOVAとしては1985年に登場した『機甲創世記モスピーダ LOVE,LIVE,ALIVE』があるが、これはTVシリーズの映像を元に一部新規映像を追加して作られたミュージックビデオであり、やはり同様な構成の『マクロス Flash back 2012』(1987年)ともども、製作・発売元であるビクター音楽産業(当時)の強い意向を感じさせ、同じくビクター発売の本作にも同様な背景がありそうだ。

本作『アウトランダーズ』は白泉社から発行されていた少年マンガ雑誌「月刊コミコミ」の看板タイトルだった、真鍋譲治氏によるコミックのOVA化作品。コミコミは2021年現在も発行されている白泉社ヤングアニマル」の前身であり、当時としても、少年誌とは思えぬマニアックな印象のある雑誌だった。『攻殻機動隊』以前の士郎正宗氏も本作と同時期に同誌で『ドミニオン』を発表している。

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ジェッツコミックス版原作コミック(駿河屋より)

スペオペとオカルトの融合した世界設定や、アニメ世代らしいキャッチーな女性キャラ、破壊とバイオレンスが漲る思いのほかハードなストーリー展開など多彩な魅力を持つ原作コミックはヒット作となり、満を持してのOVA化となる。ちなみに本作も当時の人気マンガの例に漏れず映像化時点で原作は完結しておらず、本作の「プロローグだけで終わっているように見える」印象はそれも一因だろう。

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OVAアウトランダーズ』より

本作の製作は先述したとおり『メガゾーン23part2』(1986年)でOVA史上最大のヒットを放ったビクターで、1986年末当時、OVAの製作にもっとも積極的だった企業の一つといえる。
タツノコ側のプロデューサー岩田弘氏、監督の山田勝久氏、脚本の富田祐弘氏(寺田憲史氏との連名)はTV『機甲創世記モスピーダ』(1983年)でも組んでおり、かつてトップクラフト時代の旧知であった山田氏を引き抜いてモスピーダの監督に据えた岩田氏の意向の強い座組といえそうだ。

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アニメV1987年1月号表紙。原画は浜崎博嗣氏(駿河屋より)

キャラクターデザインと作画監督には竜の子アニメ技術研究所の浜崎博嗣氏がTV『昭和アホ草紙あかぬけ一番!』(1986年)からスライドする形で担当しており、タツノコが劇場マクロスで培ったメカアクションと、浜崎氏の華麗なキャラクターの共演する画面は非常にリッチだ。『うる星やつら』のラムちゃんを彷彿とさせるヒロイン役にラム役だった平野文氏を起用、後の『AKIRA』(1988年)の主演で一気に声優として有名になった岩田光央氏の初アニメ主演(同時期の『時空の旅人』でも主演)、梅津泰臣氏や西島克彦氏などのスターアニメーターの競演、ジリオンに数か月先駆けてのタツノコ作品初のTVゲーム化(ファミコン用ゲームがビクターより発売)等々、トピックも多い本作だが、やはり原作と比べてストーリーや演出面での物足りなさは否めない。

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アウトランダーズ』VHS版パッケージ裏より

ここでタツノコはビクターとの縁が一度切れ、岩田氏の次作となるジリオンではキングレコードと組み、本作に次いでタツノコでは2本目となる完全新作OVA赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲』(1988年)へと繋がることになる。
一方、本作の山田勝久監督とキャラデザイナー浜崎博嗣氏はビクター側のプロデューサー佐藤智子氏とともに、やはりビクター製作でマッドハウス制作のこちらもコミック原作のOVA『JUNK BOY』(1987年)に参加、以後マッドハウス作品を中心に活動してゆくことになる。ジリオンの第16話は浜崎氏にとってタツノコ時代最後の参加作品(ジリオンのレコードジャケット等の版権イラストは引き続き担当)となっており、本作は浜崎氏のキャリアの大きなターニングポイントとなった。

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EP「Starry eyes」およびCD「赤い光弾ジリオン WHITE NUTS」のジャケット画像。原画はどちらも浜崎博嗣氏(駿河屋より)

本作のプロデューサー岩田弘氏は本作終了後、ジリオンのプロデューサーに就いているが、これまでの岩田氏のキャリアやジリオンの「宇宙からの侵略者に対して少年少女が立ち向かう」企画内容からすると、企画当初に想定されていた監督候補は山田勝久氏であったのかもしれない。当初予定されていた座組を覆し、西久保瑞穂氏を監督として招聘したのはご存知石川光久氏だが、ここにジリオンが現在見られるような作品になるかの大きな分水嶺があったように思える。
タツノコプロは本作リリースの1986年12月に大規模なリストラを行っているが、本作やドテラマン、そしてジリオンは、その厳しい環境下でスタッフたちが果敢にチャレンジを模索した作品群といえるだろう。

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アニメディア1988年6月号より

次回は、本編ではついに姿が登場しなかった幻のホワイトナッツメンバー「バード少尉」について。

(号外)ジリオンオンリーイベント年末開催!&トライチャージャー新作TOY

予告とは異なるが、今回は12月のジリオンオンリーイベントと、急遽発表されたトライチャージャーの新作TOYについての情報となる。更新が延び延びとなった上に予告詐欺となってしまったことをお詫びしたい。

 

pictsquare.net]

 

まずはこちらから。『赤い光弾ジリオン』の放映33周年を記念したオンラインイベント「ホワイトナッ党 党員集会」が、本放送時の最終回放映日に合わせて2020年12月13日に開催される。

内容はファンが持ち寄った同人誌即売会と交流会となり、参加にはオンラインイベントを提供するプラットフォーム pictSQUAREへの事前登録が必須となる。

すでに数名の方が出展を表明されており、不肖筆者もこのZILLION ARCHIVE ROOMの一部コンテンツを書籍化して持ち込む予定なので、興味のある方は覗いてみてはいかがだろうか。

参加費は無料だが、即売会で販売するサークルはシステム手数料として550円かかるので注意されたい。

主催は以前に30周年記念同人誌を発行された うりこ さんで、イベントの詳しい紹介は上記リンクに記載されているのでご確認いただきたい。

 

 

もう一つ、こちらは先月電撃的に発表された、香港の玩具メーカー「POSE+(ポーズプラス)」によるトライチャージャーの新作TOYとなる。

現在のところまだ「制作決定」以外の情報はなく、発売時期、価格、サイズ、仕様などもすべて謎の状態だが、「#完全変形」とのタグがあるので、リアルタイム当時にセガから発売されたTOYと同様、完全変形が楽しめる模様だ。

ポーズプラス社はすでにバイカンフーでキャラクターフィギュアとロボの装着・融合を実現しているので、トライチャーチャーにもJ.Jのアクションフィギュアが同梱されることを期待したい。

ちなみに、前述したバイカンフーの価格は約6万円、近作であるゴーダムも4万円ほどと非常に高価であるため、トライチャージャーもそれなりの出費を覚悟する必要がありそうだ。購入希望の方はいまから貯金をしておくことをお勧めしたい。

 

次回は予定通りOVAアウトランダーズ』についてを予定している。

祝dアニメ配信!ジリオンの2つのオープニングフィルム

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赤い光弾ジリオン』OPより

今回はリアルタイムのジリオン情報がいくつか続いたので、まずはそちらを紹介したい。

まずは配信情報。これまでアニメ放題やU-NEXTで配信されていた『赤い光弾ジリオンTVシリーズがdアニメでも配信がスタート(月額400円)している。さすが業界最大手だけあり、今回の配信ではじめてジリオンに触れた方の感想も多く見られる。
anime.dmkt-sp.jp

次は雑誌からの話題。
2020年6月現在、書店にて発売中の『CONTINUE Vol.65』(太田出版)の光線銃特集で、ジリオンの玩具やスーパーボンボンのコミカライズが紹介されている。
(コミカライズについては、こちらで本ブログでも紹介している)
ジリオンのアニメ化に至る「光線銃ブーム」について興味のある方にはぜひ手にとっていただきたい。
www.ohtabooks.com

もう一つ、こちらも現在発売中の『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)2020年7月号では、人気声優 櫻井孝宏氏が連載エッセイ「ロール・プレイング眼鏡」でジリオンのCD「お洒落倶楽部」への偏愛を吐露している。ごく短い言及だが、氏は「関俊彦さんLOVE♡」とのことなので、今後の連載(今回は第2回)にも期待したい。
ddnavi.com


それでは本題。
ジリオンと同時期に登場した『機甲戦記ドラグナー』(1987年)のオープニングに2つのバージョンがあることは有名だが、ジリオンのオープニングも実は2バージョンあることは、ファン以外にはあまり知られていない。「激闘編」(第17話~)から登場した新バージョンでは、ジリオン銃がニュージリオン(11話から登場済)に描き変えられている。ニュージリオンの形状変化に合わせ、その作画では丁寧なフォローが行われており、以下で細かな検証を行った。
各位、脳内でOP曲「ピュアストーン」を再生しながらお読みいただきたい。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ジリオンのホルスターにJ.Jの手が伸びるカット。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
クルクルとガンスピンを行い、ガッチリとホールドするカット。トリガーガードなしの旧ジリオンでこのアクションは実行可能なのか?はよく話題になる。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
構えるカットは一瞬だがここも描き変わっている。

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赤い光弾ジリオン』OPより
このチャンプのカットのみ、激闘編の新バージョンでも描き変わっていないようだ。ほんの一瞬だからスルーされたのかもしれない。筆者も今回の検証で初めて見つけたもの。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
トライチャージャーでのアクションシーン。よく見ると同じアクションでも前景や背景の位置が異なっており、撮影に関してはまったく同じではないようだ。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ジリオンのコードがなくなって、印象がかなり異なるカット。歌詞のテロップ位置の違いも確認できる(新バージョンのほうが低い位置になっている)。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ここももちろん変更。同じカットの最後、アップルのホルスターのジリオンも描き変わっている。
よく見るとJ.Jの口の中の色が異なっており、彩色もやり直している(その際に発生した色指定ミス)ことがわかる。
ちなみに、せっかくのOPフィルムの差し替えにもかかわらず、「ピュアストーン」作曲者大内義昭氏の誤植(「木内」になっている)は修正されなかったようだ。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
大きく変わったカットその1。アップルのアクションシーン。サブマシンガンタイプのニュージリオンはかなり大きいため、両手でのホールドに変わっている。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
同じアクションシーンより。サブマシンガンタイプを片手で撃っているのでかなり大きく感じる。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
こちらも大きく変わったカット。チャンプもジリオンがライフルタイプになり射撃姿勢が変わったため、ポーズと持ち方から異なっている。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
さすがにこのカットは拳銃タイプでないと成立しないため、このカットのみチャンプもアップルもJ.Jと同じタイプのニュージリオンとなっている。

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赤い光弾ジリオン』『赤い光弾ジリオン 激闘編』OPより
ラスト前。J.Jとアップルのホルスターに注目。

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赤い光弾ジリオン』ブルーレイBOX特典絵コンテ集より、なかむらたかし氏の手になるOPコンテ
こちらはオマケ。絵コンテ段階では、オンエア版とはラストカットが異なっていたようだ。

こうやって細かく見ていくと、OPでのニュージリオンへの変更は元々予定されたものではなく、やはり激闘編に合わせて急遽対応が行われたように思える。これも、激闘編のスタートにあたってスケジュールに余裕ができたことと関係がありそうだ。
zillion-archive-room.hateblo.jp


次回は、ジリオンの放送に先立ってリリースされ、そのスタッフの多くがジリオンに移籍した、タツノコプロ制作のOVAアウトランダーズ』(1987年)についてを予定。

放映33周年!ジリオンの天丼ギャグ

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ムービックから発売されたカセットレーベル

33年前の今日、4月12日(日)にTV放映が開始された『赤い光弾ジリオン』は、基本的には一話完結方式でストーリーが構成されている。毎回のパターンとして「ノーザがアクションを起こす→ホワイナッツに出動命令→ビッグポーター発進バンク→現地で戦闘→解決」という展開が踏襲されるが、その他にも細かい作劇パターンがいくつか見られる。

「J.Jがゲストの女性キャラと知り合って事件が起きる」という、ジリオンとほぼ同時にスタートした『シティーハンター』(1987年)のようなパターンもあるが、今回は特にその初期において顕著な「作中人物が口に出すとすぐその展開になる」というパターンについて検証してみたい。これはシリーズ中で何度も繰り返されるので、一種の「天丼ギャグ」と考えてもいいと思われる。

まずは第1話。
J.Jがアディを安心させようと「このソーラーシステムは滅多なことじゃ壊れないんだからさ」のセリフが言い終わらないうちにソーラーシステムに穴が開く。
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第2話。
職員らしき男性が「ノーザが湧いて出るわけじゃあるまいし…」といった直後に雲霞のようなノーザ軍に襲われる。
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第3話。
兵士たちが「援軍は来るんでしょうか?」(中略)「もうすぐ!」と会話した直後に援軍が来る(が、直後に巨大砲で全滅)

第5話。
大臣が「ヤシマ研究所ある限り、ノーザおそるるに足らん、といったところかな?」といった直後にノーザのミサイルが直撃。
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第6話。
バーンスタイン長官が「まんまと我々の陽動作戦に引っかかってくれたわけだ」と破顔した直後に西部戦線が破られる。

飛んで第8話。
セントビジリア島で熟女たちから逃げ出したJ.Jが「もっと若い女の子はいないもんかねぇ?」といった直後にメルゥを見つけて「いたぁ〜♡」
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しばらく飛んで第12話。
J.Jが「なーんだ、俺たちはもう海の牙に狙われてなかったんだ。アッハッハッハ」といった途端に爆雷攻撃を受ける。

第13話。
開幕早々、戦闘機パイロットが「しかし、こんなところにノーザ軍がいるとは思えんが…ん?なんだあれは!?」でミサイルの直撃を受ける。

第14話。
セシルを追って転属願いをするJ.Jが「頭を冷やしなさい!」と水をぶっかけられた直後にセシル救出依頼の電話がかかってくる。
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第15話。
トロール兵が「シャケじゃあるまいし、ノーザがこの運河を遡って来るってか?冗談じゃ…」といった直後に運河からノーザのメカが出現。
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第16話。
大要塞のリックスが「出て来いJ.J、早く姿を現わせ!」といった直後に「ホワイトナッツ、接近!」

第18話。
ミンミンにお弁当を作ってもらったJ.Jが「もう死んでもいい!」とバクバク食べるが、直後に喉をつまらせ「死ぬかと思った…」

第19話。
アップルと遺跡に隠れたJ.Jが「次もあっと言うようなところから出てくるかもしれないぜ」といった直後にノーザが壁から出現し、「あっ!?」
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第20話。
浄水システムに潜入したエイミが「元・泣く子も黙るホワイトナッツ秘書官エイミ・ハリソン、ノーザなんかに…」と言い終わる前にノーザが目の前に現れる。
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第22話。
J.Jとアディが「あっ!チャンプとアップル!」といった(2回目)直後に二人がライディングセプターで乱入。

第24話。
オパオパにJ.Jの行方を訊かれたエイミが「女の子の悲鳴のするトコでしょ!」からの「キャーッ!」
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第25話。
アップルから「男の子は泣かないものだぞ!」と諭されたジョニーが泣いてしまう。

第26話。
警備を放ったらかしてノーザを迎撃しようとしたJ.JにMr.ゴードが「敵はもう中に入り込んでいるかもしれないんだぞ!」と説いたが、すでにガードックが潜入していた。

第31話。
1) ノーザの触手に捕らわれたJ.Jが意識が遠のきながら「アップル…チャンプ…」と呟くと2人が救出に現れる。
2) J.Jがチャンプのセリフを受けて「オレたち自身の戦い…か」といった直後に2人でいがみ合いを始める。
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この定番ギャグは展開がシリアスになっていくラスト近くには(最終回を除いて)登場しなくなっているが、ジリオンの持つアップテンポで軽快なイメージは、こういった「徹底した展開の早さ」にも支えられているのだろう。これも、一種ドライなキャラクターたちの軽妙な掛け合いや、伸びやかなサウンドとも合わせ、予算のない中で新しいものを貪欲に求めた当時のスタッフのチャレンジ精神の賜物だったのではないだろうか。


次回は、激闘編になって変更されたオープニング映像を検証予定。

ジリオンの総集編ビデオ

ジリオンのビデオソフト化は以前(こちら)にも触れたとおり、放送開始から比較的早い時期に行われている。
TVシリーズ放送中に発売された「誕生編」ビデオは第1話、第2話をそのまま収録したもので、現在では、その後藤隆幸氏によるパッケージイラスト以外の魅力に乏しい。ジリオンの人気次第ではこの一本でソフト化が打ち止めとなった可能性を考えると、レンタル店に置かれるビデオソフトに第1話を収録することで、そこからTV放送の視聴者を増やす狙いもあったのかもしれない。
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誕生編パッケージイラスト

今日的な目で楽しめるのは放送終了後の1988年にそれぞれ発売された「総集編vol.1  JJ対リックス 宿命の対決」(7月21日発売)と「総集編vol.2 チャンプ&アップル ファンタスティックメモリーズ」(8月21日発売)の二本となるだろう。こちらはTV放送のフィルムを独自に編集した内容で、「誕生編」と異なり音楽のステレオ化と再アフレコも施され、独自の作品といえるほどの変化を遂げている。こちらはビデオレンタルと同時に、ファンのコレクターズアイテムとしても想定されていたものと思われる。

「総集編vol.1  JJ対リックス 宿命の対決」の構成担当はメインライターの伊東恒久氏。徹底的にシリアスに寄った対決のドラマは氏の過去作、たとえば『巨人の星』(1968年)や『あしたのジョー』(1970年)などを彷彿とさせる。

J.Jとリックスのみをクローズアップした構成のためか、他の登場人物の出番は少なく、その影響でかアバンタイトルのナレーションをJ.J役関俊彦氏自らが行っており(TVはナレーターの小林修氏の担当)、その意味でも貴重な作品といえる。


徹底的にvsリックスに絞り込んだ構成のため、リックスの死でビデオが終わってしまうのは必然とはいえ、その割り切りの大胆さに、初見の人は少々面食らいそうだ。また、J.Jのピンチの原因が毎度ジリオンの撃ち過ぎであることが分かってしまうので、J.Jファンには痛し痒しな作品でもありそう。
本作はVHS版とともにLD版も発売されており、浜崎博嗣氏のジャケットイラストもそれぞれ異なる。
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ジャケットイラスト2種

「総集編vol.2 チャンプ&アップル ファンタスティックメモリーズ」は逆に、主人公J.J以外のチャンプとアップルをクローズアップしている。構成はこちらもTVシリーズで多くのシナリオを手掛けた渡辺麻実氏。以前に書いたように(こちら)、ドラマ派の伊東氏に対するキャラ派筆頭がこの渡辺氏と言っていいだろう。

こちらはチャンプ回だった9話と、アップル回である25話を再編集して収録。ホワイトナッツメンバーがVTRを鑑賞している設定で、いきなり主題歌のカラオケバージョンから始まって説明をザクザクと端折る展開は、初見の視聴者をあまり想定しないビデオならでは。
男性ファン待望の25話冒頭のアップルのシャワーシーンは尺の関係でカット…されたように見えて、ラストに詰め込まれた名場面集のような形でネタとして扱われている。
この終盤用に新録されたセリフは感動の最終回をチャンプ役井上和彦氏の家庭事情を暴く楽屋オチに改変(前作vol.1が最終回まで到達せずに終わった補完の意味もありそうだが)するなど、CD「お洒落倶楽部」やカセットブック「シークレット ティ・パーティ」と並んで大胆なセルフパロディを展開した。

本作もVHSとLDが発売、ジャケットイラストは後藤隆幸氏がつとめている。
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ジャケットイラスト2種

上記2種の再編集版ビデオはVAPから発売されたが、もう一本、キングレコードからもミュージックビデオ「エイミ・ペンギンズダイアリー」が、「総集編vol.1」と同日の1988年7月21日に登場している。構成は西久保監督自らが歌に合わせた映像編集をストーリー展開に沿って行うという離れ業で、たった30分のビデオでTVシリーズを見終わった気分にさせてくれる。

こちらのジャケットイラストは浜崎博嗣氏。
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LD版ジャケットイラスト

本作はOVA「歌姫夜曲」とともに2015年に発売されたブルーレイボックスの特典として収録されたが、VAP版の上記2作は絶版のままとなっている。
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アニメージュ1988年8月号の広告

ちなみに、「誕生編」と同じくTVシリーズをそのまま収録した「赤い光弾ジリオン ベストセレクション」(1988年9月21日発売)も総集編に続いて登場している。収録されたエピソードはアニメージュで募集されたアンケートから選ばれた15,16,17話。こちらも、後藤隆幸氏のジャケットや特典ポスターは新規描き下ろしとなっている。
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ジャケット(後藤隆幸画集「Gの旋律」より)
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特典ポスター(後藤隆幸画集「Gの旋律」より)

ジリオンは放映終了前後で大きく盛り上がった人気に応える形で、6月のOVA歌姫夜曲、7月に総集編vol.1とペンギンズダイアリー、8月に総集編vol.2、9月にベストセレクションと立て続けにビデオがリリースされており、またその合間を縫うようにレコード「あぶないMUSIC」やカセットブック「シークレット ティ・パーティ」、コミック「MIX NOISE」なども登場している。これら、1988年の6月からの10月にかけて登場したメディア作品の総額は定価で4万円を超えるため、レンタルビデオ以外で、リアルタイムですべてを観たファンはあまりいなかったのではないだろうか。

次回は、放映当時のサイクルでTVシリーズを1年間再視聴して得られたネタの第一弾、繰り返される天丼ギャグについてを予定。
今年もよろしくお願いします。

ジリオンの元ネタ、パロディなどの落穂拾い

今回も息抜き編。これまでジリオンの元ネタについていくつか記事を上げている(こちらこちらなど)が、意図的に引用したと思われる設定や演出、セリフなどについて、パロディ、オマージュまでも含め、一つの記事にするほどでもない小ネタをわかっている範囲でまとめてみたい。

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スケバン刑事オマージュと思われるイラスト(過去のProductionI.G公式サイト後藤隆幸ギャラリーより引用)

まずは基本設定から。
「エイリアンとの戦争の渦中に、その不利を覆す謎の超兵器がもたらされる」という物語の発端は、実はアニメではけっこうありふれている。『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)や『伝説巨神イデオン』(1980年)、『超時空要塞マクロス』(1982年)などがそれに当たり、1987年当時の直近ではジリオンと縁の深い(こちら)『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年)があり、後年の『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)などもそのバリエーションといえるだろう。ジリオンのラストでその超兵器のバックボーンに迫る展開などは、ヤマトよりイデオンにより近いと言える。

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後藤隆幸氏が表紙、挿絵を手掛けた小説版イデオンamazonより引用)

その超兵器であるジリオン銃は元々セガが販売していた光線銃なのだが、アニメオリジナルの「ターゲットを分子崩壊させ消滅させる」という設定は、やはりタツノコ作品『新造人間キャシャーン』(1973年)に登場する「MF銃」の応用と思われる。このMF銃はロボットだけを消滅させる超兵器であり、量産の暁にはキャシャーンらの敵となるロボット軍団に対する決定打となりうる存在であるなど、ジリオン銃と基本設定の多くを共有している。ちなみに本作にはジリオンの監督である西久保瑞穂氏や、各話演出としてジリオンを支えたうえだひでひと氏らが参加しており、その意味でもタツノコの伝統を感じる。

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キャシャーンのヒロイン上月ルナとMF銃(コトブキヤHPより引用)

ホワイトナッツの男2人と女1人のチーム構成はやはりタツノコの『未来警察ウラシマン』(1983年)やタイムボカンシリーズ三悪トリオを彷彿させるが、アタックチームのJ.J、チャンプ、アップルに、バックヤードのデイブ、エイミ、Mr.ゴードを加えた「主人公・クールガイ・ヒロイン・巨漢・子供・ボス」のチームと考えると、実は『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)のフォーマットであるのかもしれない。ガッチャマンの源流はタツノコの創業者吉田竜夫のマンガ「忍者部隊月光」であり、こちらもタツノコ伝統の配置と言えそうだ。

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ガッチャマン(熊本トヨペットHPより引用)

次はノーザ軍。ノーザのキャラ名はなぜか当時人気を誇ったアメリカのプロレスラーのモジリとなっているようだ。リックスはNWAやWWEチャンピオンのリック・フレアー(「狂乱の貴公子」というキャチフレーズもリック・フレアーのもの)、アドミスがアドリアンアドニス。また、ノーザウォーリアーズのガードックがディック・マードック、ソラールがエル・ソラール、ナバロがネグロ・ナバーロと思われる。
また、幻のラスボスとして初期設定でのみ名前が見られた「バルグ三世」の元ネタはおそらくWWEWWF)チャンピオンに長く君臨したハルク・ホーガンだろう。ラスボスに相応しい人選だったのではないだろうか。

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「バルグ三世」についての記述。ニュータイプ1987年5月号より

そのノーザ、特にリックスのビジュアルの元ネタと思われるのが、ジリオンの放送直前まで放送していた特撮作品『超新星フラッシュマン』(1986年)のラスボス、大帝ラー・デウス。リックスの使っているムチに変化する剣も、同作のサー・カウラーの持つ槍になるムチが元ネタかもしれない。(もしくは、更にさかのぼって『機甲界ガリアン』(1984年)の蛇腹剣か)
ちなみに西久保監督、押井監督などのジリオンスタッフの多くが後に参加した「機動警察パトレイバー」シリーズのメカデザインを手掛けたのは、フラッシュマンガリアンのデザイナーでもある出渕裕氏だった。

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大帝ラー・デウス楽天TVより)

各話のネタは枚挙にいとまがないので以下にまとめて記した。まだまだあると思われるが、それらは見つけ次第追加することとしたい。OVA歌姫夜曲やCD、関連商品に関してはパロディそのものがメインだったりもするので、そちらはまた別途紹介することにしたい。

第1話 映画『ペーパームーン』(アディの元ネタ)、横田基地(コヨタベース)
第8話 『ハクション大魔王』(「呼ばれて飛び出てオパオパー!」)
第10話 モブキャラにキャプテン翼こち亀マクロスなど
第15話 石川光久氏(イシカワ中尉)
第17話 『科学忍者隊ガッチャマン』(J.J再登場のシーン)
第18話 珉珉(こちら
第19話 映画『恐怖の報酬』(爆弾運搬)
第22話 『あかぬけ一番!』(「チョッキー♪」)
第25話 映画『グロリア』(こちら)、フランソワーズ・アルヌールとソフィア・ローレン(おそらくフランソワーズ・ローレン先輩の元ネタ)
第28話 『逆転イッパツマン』(「シビビンシビビン!」)
第29話 映画『ターミネーター』(ナバロの最後)
第30話 ゲーム『SDI』(J.Jの遊んでいるゲーム)
第31話 小説『エンダーのゲーム』(こちら

次回は、当時VHSのみで発売された二本の総集編ビデオを取り上げる予定。

アニメディアの描き下ろしイラスト(1988年分)

今回は本文の前に、ネット配信の情報について軽く触れておきたい。
赤い光弾ジリオン』の現時点(2019年10月1日)でのネット配信は以下の3社で行われている。

アニメ放題(月額400円)
animehodai.my.softbank.jp

U-NEXT(月額1990円)
video.unext.jp

ビデオマーケット(各話110ポイント)
www.videomarket.jp

いずれもTVシリーズのみとなるが、スマホでいつでも手軽に視聴できるのでDVDやBDを持っている筆者も重宝している。すでに他の配信サイトを契約している方は、ラインナップを見て乗り換えを検討するのもいいだろう。

では本題。1988年のアニメディアに掲載された描きおろしイラストを紹介する。12月号の数井浩子氏のポストカードイラストを前回掲載し忘れていたため、前年分(こちら)も近く修正するので合わせてご覧いただきたい。後藤隆幸氏、黄瀬和哉氏のイラストも両氏の画集に再録されておらず、貴重なものといえる。

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まずはJ.Jが表紙の1月号。発売は1987年12月10日なので、最終回放映直前に店頭に並んだことになる。

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描きおろしのイラストは黄瀬和哉氏の手になる表紙と、同じイラストの文字なしver.となるピンナップ、記事に付随するJ.J、リックス、アドミスに、後日談を思わせるWN3人のイラストまである大盤振る舞い。記事イラストも黄瀬氏が手掛けており、先月の12月号ともども、氏特有のカッコいいリックスが堪能できる。

他にも、お正月のカセットレーベルにWNが登場。こちらの原画は数井浩子氏。
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続いて2月号。放送は終わってしまったが、巻頭企画「アニメ人間国宝」ページで大々的に取り上げられている。描きおろしは扉の全員集合と、アップル、J.Jが各一枚。

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原画はおなじみ戸部敦夫氏が手掛けている。
この「愉快だったキャラ」一位のJ.Jに対し、冴羽獠(シティーハンター)と比べた西久保監督のコメントが面白い。

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この号の付録には後藤隆幸氏の手になるビッグポスターも。

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3月号はお休みで、4月号には恒例となったポスターが登場。OVA歌姫夜曲をイメージしていると思われるが、J.Jの服装などはその後発売されたOVAのものとは異なっている。原画は戸部敦夫氏。

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この号は年度の区切りということで、卒業特集の記事にもJ.Jとアップルが登場。原画はアイジー竜の子名義となっている。
確かにアップルとJ.Jは1歳違いの設定だが、誕生日は4月と翌年3月と設定されており、日本式の学校では同学年となる。このイラストは、それとは別の解釈に則ったもののようだ。

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5月号にはOVA歌姫夜曲の記事が登場、描き下ろしイラストの原画は黄瀬和哉氏。

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そして付録のVカードには、後藤隆幸氏の描き下ろしタロットカード風イラストが贅沢に使われており、いまからでも商品化して欲しいほどのクォリティだ。

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6月号は日本アニメ大賞の発表があり、久しぶりの大特集。記事の描き下ろしイラストは武田一也氏と後藤隆幸氏(アニメディア別冊表紙のリサイクル)、ジリオンお天気ピンナップ(数井浩子氏原画)という特別な折り込み付録に加え、ポスター(原画はアイジー竜の子名義)にまでもジリオンが登場、現役作品以上の猛プッシュといえる。

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その勢いをかってか、7月号ではなんとOVA作品ながら表紙を飾っており、旧作振り返り企画「あの素晴らしいアニメをもう一度」の目玉作品としても登場。
原画は表紙が武田一也氏、記事が戸部敦夫氏の手になる。

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8月号はさすがに息切れなのかジリオンの記事はなく、前年10月号以来2ヶ月ごとについていたポスターでの登場も遂にストップ。翌9月号もジリオンの掲載はないが、後藤隆幸氏のオリジナルイラストがピンナップページに登場している。

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10月号のスポーツ特集で登場したJ.Jとアップルは戸部敦夫氏の原画。これがアニメディアでのジリオン最後の描きおろしとなった。

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この頃はもうタツノコでは次回作『天空戦記シュラト』(1989年)の制作がスタートした頃だろうか。植田氏の反応も作品や続編への言及がなく、そっけない印象がある。

こうして俯瞰してみると、アニメディアでは放送終了後も人気の続いたジリオンをなんとか記事にしようと、独自企画のページに大きくジリオンをフィーチャーしていたようだ。
当時がオリジナルアニメ冬の時代で、ワタルやボーグマン、サムライトルーパーなど1988年放映のオリジナル作の人気が出るまでの繋ぎとして、なんとかジリオンを引っ張りたい編集部の意向も感じられる。

その甲斐あってか、アニメディアの人気投票では88年末に至るまでジリオンはトップクラスの人気を維持していたようだ。元々3クールとはいえ、最近のアニメだったら4期ぐらいまでは作られていたかも、と想像するのも面白い。

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アニメディア1988年11月号のキャラクター人気投票

次回更新は未定。はてなブログへの移行で過去記事リンクがズタズタになったので、その修整が終わったらまた告知させていただきたい。